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＜技術的知識＞＜構造材料の特性と品質＞＜コンクリート＞ コンクリートの品質のスタートは，生コンです。固まっていないコンクリートを現場に搬入して現場で型枠に入れて４週間後に目的とした強度が出ます。第三者的な言い方をすれば「４週間後に強度がでます」となるのですが，生コンを生産する側に立てば，４週間後に目的の強度を発揮できるように調合しなければいけないのです。 注：コンクリートミキサーの中の固まっていないコンクリートのことを一般名称としては「生コン」と言いますが，ＪＩＳ上の正式名称は「フレッシュコンクリート」です。 注：「レディーミクストコンクリート」とは，整備されたコンクリート製造設備を持つ工場から，荷卸し時点における品質を指定して購入することができるフレッシュコンクリートのことです。その品質を規定したのが，ＪＩＳＡ５３０８です。

<関連情報> <設計基準強度と呼び強度> <打設されたコンクリートの強度の監理方法> <設計基準強度と実コンクリート強度・法令上の規定> <生コンクリートのその他の品質>

＜技術的知識＞＜構造材料の特性と品質＞＜コンクリート＞＜ＪＩＳＡ５３０８で規定していること＞

ＪＩＳＡ５３０８で規定していることはたくさんありますが，まずは，「呼び方」から入るのがわかりやすいです。

これは，現場にどんな生コンを持ってこさせるのかを具体的に示すものです。例えば，

「普通 21 18 20 Ｎ」と書けば，

�@コンクリートの種類が，普通コンクリート

�A呼び強度が，21.0Ｎ/mm²

�Bスランプが，18cm

�C粗骨材の最大寸法が，20mm

�Dセメントの種類が，普通ポルトランドセメント

という意味です。

�@のコンクリートの種類は，「普通コンクリート」「軽量コンクリート」「舗装コンクルート」「高強度コンクリート」の4種類がありますが，建築分野であれば「普通コンクリート」以外を使うことはないと思います。

�Aの呼び強度は，固まった時のコンクリートの強さで，もっとも重要な要素と言っていいでしょう。構造設計で決まった設計基準強度で呼び強度を決定します。

�Bのスランプは，生コンのやわらかさを示すもので，大きい方が柔らかく流れやすいコンクリートです。建築分野では，上部構造では１８，基礎では１５(または18)を指定します(国土交通省監修の標準仕様書に規定)。

�Cの粗骨材の最大寸法は，20�oを使うことが多いです(同標準仕様書で「砂利は25�o，砕石は20�o」と規定)。

�Dのセメントの種類は，建築分野であれば通常「普通ポルトランドセメント」以外を使うことはないと思います。

＜技術的知識＞＜構造材料の特性と品質＞＜コンクリート＞＜ＪＩＳで言う呼び強度の意味＞ 「呼び強度 ２１」とはどういうことかを解説します。 呼び強度自体には単位がついていませんが，ＪＩＳ中の「４ 品質」の注意書きに，「小数点以下に0をつけて，Ｎ/mm^2で表した値」とあるので，２１とは「21.0Ｎ/mm^2」という意味です。そして，生コン工場は呼び強度が出るように生コンを作らなければいけません。「呼び強度が出る」という意味は次の通りです。 判定基準：１回の強度試験の結果が，呼び強度の８５％以上であり，かつ，３回の強度試験の結果の平均が呼び強度以上であること 供試体の材齢：２８日 ←指定により変更できるが，変更することはほとんどない。 供試体の養生方法：常温で水分が蒸発しないようにしたもの(9.2.1)。具体には，養生温度は，20±2℃で，水中または湿潤な状態に置く(9.2.1でJISA1132を指定していて7b)に書いてある)。 試験頻度：１５０m^3に１回。ただし，１回の試験結果は，任意の１運搬車から採取した試料で作った３個の供試体の試験値の平均値 「呼び強度 ２１」とは，上記の試験に合格する生コンということです。試験結果が出るのは２８日後であるため，上記の試験に合格するかしないかは生コンの時点ではわからないのですが，合格できるだけの品質管理を生コン工場(通常，ＪＩＳ認定工場)によって行われた生コンという意味です。

<標準養生> 呼び強度を保証するために２８日目に行う圧縮試験の供試体の養生方法である20±2℃の水中養生のことを一般的な呼び方で「標準養生」と言います。 ただ，この「標準養生」は，あくまでも一般的な呼び方であって，この養生方法を規定しているＪＩＳＡ１１３２にも，その元になっているＪＩＳＡ５３０８にも「標準養生」という用語は使われていません。 国の標準仕様書では，6.10.4(b)(3)(i)に「標準養生」という言葉が使われていますが，その用語は定義されていません。

＜技術的知識＞＜構造材料の特性と品質＞＜コンクリート＞ 設計図書で規定されるコンクリートの強度は「設計基準強度」です。施工時にコンクリートを注文するのは「呼び強度」です。この関係は次の通りです。 <設計基準強度と呼び強度> 現場に搬入された生コンは生コン工場によって品質管理されていますが，鉄筋が組まれて型枠内に流し込まれたコンクリートの監理が重要です。 <打設されたコンクリートの強度の監理方法> 実際に打設されたコンクリートの強度が設計基準強度を満たしているかどうかを法的に判断する基準はこちらです。 <設計基準強度と実コンクリート強度・法令上の規定> 強度以外にも品質があります。 <生コンクリートのその他の品質>

＜全国のＪＩＳ工場＞ 全国のＪＩＳ工場の一覧を出すことはできませんが，全国生コンクリート品質管理監査会議が品質に関する適合制度を運用していて，適合する工場の一覧を公開しています。 「○適マーク承認工場リスト」 ＜ＪＩＳＡ５３０８の改正＞ 平成２６年３月２０日にJISA5308が改正されています。 「レディーミクストコンクリートのＪＩＳを改正」 余った生コンから粗骨材と細骨材を取り出してもう一度使う方法が規定されました。

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[このページの公開年月日]２０１２年６月

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